2015年7月22日水曜日

早稲田国際教養AO入試 Spirit Level

Day Six   Spirit Level  解答のポイント
主題 豊かさではなく貧富の差が国の幸福度を決める

本文訳 2つのグラフはある国の (a) 国民総所得 (b) 所得格差 と健康・社会問題を起こす可能性の関連性を示している。「健康・社会問題指標」は以下の問題に関して国際機関(世界銀行、経済協力開発機構、国連)が得たデータから算出されている:  (1)平均寿命、 (2)10代の出産 (3)肥満 (4)精神病 (5)殺人 (6)投獄率 (7)人間不信 (8)社会の流動性 (9)教育 (10)幼児死亡率 グラフbの線は回帰直線である。すなわち2要素がベストフィット関係(強い相関関係)にあることを示す。

グラフabをぱっとみて分かること 
ふたつのグラフをぱっと見て気づく特徴は次の2点だ。
1) グラフbには傾きがプラスの一次関数の線分がある。 (グラフaにはない。)
2)グラフab両方でアメリカだけが極端に右上にある。

そこでそれぞれの特徴から次のことが分かる。
1)グラフbの縦軸と横軸の要素は比例する。  アメリカには極端な特徴がある。

グラフabの見方
縦軸はグラフab共に同じで、大まかに言えば「不幸の度合い」を示している。問題本文の「健康・社会問題を起こす可能性」で、上に行くほどその国は不幸な人が多いことになる。

横軸はグラフaは「その国のお金持ち度」(問題文の「国民総所得」)、グラフbは「その国の貧富の差」(問題文の「所得格差」)を表している。

つまり、グラフa では右に行くほどその国はお金持ちだということになり、グラフbでは右に行くほどその国は貧富の差が大きいことになる。そして、グラフbの傾きがプラスの一次関数の線分は「不幸の度合いは貧富の差に比例する」ことを示している。

グラフaから分かること
ポイント: お金持ちの国であるかどうかと健康・社会問題の多少はあまり関係がないらしい。お金持ちでない国々よりもアメリカのほうが健康・社会問題が多く、お金持ちの国同士でもアメリカが極端に健康・社会問題が多い。
詳細: 横軸が国民総所得、縦軸が健康・社会問題の場合、予想可能なのは左側ほど点が上に来る(お金持ちでないほうが健康・社会問題が多い)ことだが、ポルトガル以外はこの予想に合う国はない。(ちなみに、グラフ上の国々は全て先進国)むしろ、比較的グラフの右寄りにある国の位置が低くない(お金持ちでも健康・社会問題がかなり多い)点が目立つ。例えば、イギリスは所得では中間の位置を占めるにもかかわらず健康・社会問題はポルトガルの次に多い。更に、最もお金持ちのアメリカの健康・社会問題は、それほどお金持ちでない国々よりもずっと多く、同じくらいお金持ちの国であるノルウエーの3倍になっている。

グラフbから分かること
ポイント: 貧富の差が大きいほど健康・社会問題が多い。またアメリカは貧富の差と健康・社会問題の度合いが極端に大きい。
詳細: 貧富の差と社会問題をグラフにすると傾きがプラスの一次関数の線分を引くことができるということは、貧富の差と健康・社会問題には相関関係があり(比例し)、
【貧富の差(小)=健康・社会問題(少)/ 貧富の差(大)=健康・社会問題(多)】だということが分かる。

グラフabから分かるアメリカの特徴 
グラフaからアメリカが世界で最もお金持ちの国であることが分かる一方でグラフbからはアメリカが先進国の中で極端に貧富の差が大きいと同時に健康・社会問題も極端に多いことが分かる。先進国の中でアメリカは最も富んでいるにもかかわらず、超格差社会であるための最も元気がない国なのだ。


問1 適切な例を挙げてこれらのグラフが示唆することを1段落で説明してください。 解答用紙の所定の場所に英語で書いてください。
考え方 「グラフaから分かること」と「グラフbから分かること」参照


問2 健康・社会問題指標に含まれる10件の問題のひとつを選んで、日本とアメリカに焦点を当てながら、これらの問題の発生における(日米の)差を、グラフに示された要素以外のどんな要素で説明できそうかを述べてください。解答用紙の所定の場所に英語で書いてください。
考え方 日本とアメリカに焦点を当てるよう指示されていることとグラフで分かることの関係を考えて見る。日本とアメリカはグラフbで正反対の位置にある。日本は貧富の差が少なく健康・社会問題も少ないがアメリカはその逆。つまり、日米の健康・社会問題の差の原因は格差の差なのだが、問題で問われているのは、日米の格差の差以外に考えられる原因だということになる。そこで、日米の社会や制度などの違いで原因になりそうなものを挙げる。
以下は、考えられそうな格差の差以外の原因をキーワードで示したもの。

(1)平均寿命:  医療費、銃規制(ただしカナダは銃社会だが銃による殺人件数はアメリカよりずっと少ない)、車社会、規制、離婚・独身率、多人種・多民族、差別
(2)10代の出産:  移民、差別、宗教、個人主義、自由主義、メディアコンテンツ
(3)肥満:  規制、食生活、車社会、消費社会
(4)精神病:  伝統社会の喪失、競争社会、精神病関連ビジネス
(5)殺人:  警官の数削減、伝統社会の喪失、競争社会、銃規制、人種差別
(6)投獄率:  刑務所の民営化、ドラッグ、人種差別
(7)人間不信:  多人種・多民族、競争社会、個人主義、メディアプロパガンダ
(8)社会の流動性:  利益優先主義、企業家のモラル、雇用形態、アメリカン・ドリーム
(9)教育:  教師数削減、予算削減、人種差別
(10)幼児死亡率  離婚・独身率、移民、人種差別



Appendix
ポイント: 死刑廃止への世界的な流れと死刑支持が大多数の日本の世論とのギャップ
問: 日本での死刑廃止への自分の考え

資料A 日本の死刑に関する世論調査の結果(ジャパン・タイムズ)
第1段落: 日本では死刑支持が圧倒的
85.6%が「不可避」と解答
1994年の調査開始以来最高の数字
凶悪犯罪増加の影響)
第2段落:日本での死刑支持増加化傾向
死刑」支持の理由: 
1)遺族の感情を考慮 
2)犯人は死を持って罪を償うべき 
3)凶悪犯罪抑止のため
第3段落: 日本での死刑不支持はごく少数で減少傾向
 死刑不支持の理由:
1)犯人は生きて罪を償うべき
2)冤罪の場合取り返しがつかない
第4段落: 調査方法

資料B 死刑に関する数字と事実(アムネスティー・インターナショナル)
各項目から読み取れること
項目1~3: 世界的には死刑は依然として続いている
項目4: 先進国では死刑実施は例外的
項目5~7: 非民主主義の方が頻繁に、容易に死刑を実施
項目8: 民主主義国家のリーダーであるアメリカでは死刑を実施しない例多数
項目9~11: 死刑を廃止した国も多数ある

答え方:
問題文は、「資料を注意深く調べたうえで」自分の意見を述べるよう指示しているので、資料から読み取れる傾向を考慮しながら意見を述べる。死刑廃止指示・不支持の理由は資料Aの第2・第3段落及び、資料Bの世界的な死刑廃止への流れを使う。更に自分の考えを付け加えることもできる。

解答アイディア:
Although it seems impossible to abolish death penalty when most Japanese feel it is necessary, Japan should abolish it for the following reasons.
1)     Abolitionism is the trend of the world.
2)     Death penalty is morally wrong. It is based on uncivilized thought: An eye for an eye.
Humans have no rights to kill other humans, neither does a government.
3)     Death penalty is not practical. It does not work as deterrent. Most criminals are mentally disabled.
4)     False charges should be stopped. Even DNA examinations are often wrong. Decimated life will not come back once the sentence is executed.
5)     Life sentence should be the alternative for compensation for the crime and prevention of second offence.
6)     Death penalty costs more than life sentence. Prisoners are given labor for low wages.

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