2010年6月21日月曜日

Class Supplement (TOEFL Essay 受験直前アドバイス)

今回で今学期のTest Writing (月曜)の授業は終わりです。まもなく実際にTOEFLを受験する人も多いと思いますのでindependent writing (Test Writingの授業で練習したタイプのテスト)に解答する際の注意事項を今までの総復習をかねて確認しておきたいと思います。

《準備》
良いエッセイを書くために日頃から行っておくとよいこととしては、1)良い文章を読む 2)問題意識を持つ等がありますが、受験日が近くなると以下のようなことをすることも必要です。

♦実際に書いて練習しておく 授業で主な課題パターンはチェックしました。また、実際に書いてみてより完成度の高いエッセイへのイメージはつかめたことと思います。しかしレッスンで身につけたことを定着・維持・発展させるために「書く」ということを今後も続けましょう。ETSのHPに実際に出題される課題が掲載されていますので目を通し、特に書きづらそうなものを選んで書いて見ましょう。その際、最低2回書きます。最初は30分に時間を設定して書き、自分で添削するか誰かに添削してもらい、もう一度時間制限無しで書き直します。
ETSの課題掲載場所のURL→http://www.ets.org/Media/Tests/TEOFL/pdf)
♦添削済み答案の書き直し 自己添削では見つかりにくいミスや悪い癖を授業の添削済み答案の書き込みで確認し、それらに注意しながら書き直しましょう。
♦主な時事問題と自分の研究課題・趣味をまとめておく AO対策も兼ねて環境問題、貧困対策、グローバル化等の時事問題と自分の趣味・研究課題を100語前後の英文にまとめておきましょう。
♦英文読後日記をつける(英字新聞・雑誌の記事・社説・投稿等を読み、要約と感想を各1~2文の英文にまとめましょう。具体例の材料集めと表現力をつけるのに役立ちます。
♦基本文法問題で典型的なミスをチェック 英文エッセイの試験ではきちんとした英文を書くことが最も重要です。基本文法の誤文訂正問題でよくあるミスをチェックしておきましょう。また、文法の評価が1~2になることが多い人は文法の基本例文を言って書けるようにしましょう。
♦手本の書写と要約 文法・表現力の評価が3になることが多い人はテキストやBarron’s Writing for the TOEFL iBT等のsample essayをタイプで書写します。意味単位ごとに写すと表現が身につきやすくなります。ただ写すのではなく内容を取りながら行ってください。最後に内容を要約します。最初は各段落のMain Ideaを抜き出し、次に自分の言葉で言い換えます。

《試験本番》
以下の注意点は普段の練習で実践し本番では自然にできるようにしておきましょう。

手順を守る ― 1. 課題の確認 2. Brainstormingと構成 3. 書く4. 見直し の流れで書く。(あせらずに、1~4の手順を守ってきちんとしたエッセイにすることを目指しましょう。)
1. 課題の確認
♦予想外の課題が出てもあわてない(このテストは英作文の力を見るテストであって知識を試すテストではないことを忘れず、自分に分かる範囲内で論理性のある答案を書きましょう。)
♦課題の条件を見落とさない(例えば ”Parents are the best teachers for children (ages between 1-12).”の場合、eighth graders (中学生)を例に挙げることはできません。課題を正確に読み取ることが、期待される水準の答案を書く第一歩です。)
2. Brainstormingと構成
♦まず論点と構成を明確にしてから書き始める (実際に書く前に数分かけてよいのでBrainstorming + 構成の作業をしてエッセイの骨組みを作りましょう。Brainstormingは「頭の中の材料を外に出す作業」です。思いついたことを箇条書きでPC画面に打ち込んでゆきます。構成ではBrainstormingで箇条書きにした材料を整理し、1)topicごとにまとめ〈1 paragraph = 1 topic〉 2)重要な順に本論の段落順を決め、最初に導入、最後に結論の段落を設定します。)
英文エッセイの基本構造を崩さない(奇抜な構成のエッセイで評価が上がることはありません。基本のエッセイ構造に従って書きましょう。評価されるのは論証のうまさと表現力です。)
3. 書く
♦読み手に話しかけるようなつもりで書くと同時にきちんとした書き言葉を心がける(実際に書き始めたら論証に集中します。読み手を身近な人に想定してその人に説明するような気持ちで書いてゆくのも良いと思います。ただし、きちんとした書き言葉を使うことだけは留意しましょう。)
♦客観的な文章にする(書く内容を考える際に自分にとって身近なことから考えてゆくことはアイディアを出す上で大切ですが、考えを文章に変換するときは客観的な言い方を心がけましょう。コツとしては、主語が ”I” ではなく ”People” や ”Students” などのより一般的な人や ”It” または無生物主語で始まる文を多く書くと客観的な文章にしやすくなります。特に個人的な好みや選択を問う問題以外でこの点に気をつけることが大切です。)
♦当然予測される反論は取り上げて反論への反論をする(高スコアを目指す場合、反論の処理は避けて通れません。反論の処理により内容が充実し、合格ラインの300語をクリアできます。 1)反論処理用の段落を作る または 2)各段落の適所で反論を処理するようにしましょう)
♦漠然としたtopicに趣味関連で解答する場合、人生観・問題意識を入れて内容を深める
♦よく知らない単語や使い慣れない構文は使わない(本番では実力を最大限に発揮することが大切です。背伸びをしたり迷ったりすると失敗します。)♦同じ単語・表現を繰り返さない(表現力がないと思われますので同じ語・表現の繰り返しは2回程度にとどめましょう。別の語を思いつかない場合は主語や構文自体を変えてみましょう。) ♦導入の段落は主張とその理由があれば合格点の範囲内です。例えばいつもI agree with the statement that …(Writing Topicのstatement) . I have two reasons to support my opinion.のように書き出している場合、このままでも良いですが第2文を主張の理由を簡潔に述べたものにすると十分な導入になります。うまい前置きがあれば更に良いでしょうが長すぎると逆効果です。主題は早めに簡潔に示しましょう。(主題は2行目位までに書くべきだと言う人もいます。) ♦論じ方の説明はしない ♦導入の段落に具体例は入れない(具体例は本論に書きます。) ♦結論の段落に新しいtopicは加えない ♦カンマは次の3つの場合は必ず入れ、その他は入れない方が無難です。1.挿入の前後 2.副詞(句・節)が文頭に出た時、その副詞の直後(例外: 【文頭の否定語+倒置】構文はカンマ不要) 3.重文( … and …のような文)の前半が長いか複雑な時、また短くても内容が一区切りしている時、その部分の直後 ♦結論の段落は総括です。導入の段落と同じ内容を違う表現でまとめます。主張の理由は一言で締めくくるのも良いし、本論の各主題を1個の名詞や形容詞などで表すのも一つの方法です。

4. 見直し
主に論理の矛盾と説明不足に注意して読み直しましょう。

本番の前にはもう一度、基本を守り、論理性・客観性を保ち、沢山書くことを自分に言い聞かせましょう。頑張ってください!                         佐々木

2010年6月6日日曜日

Class Supplement (TOEFL Essay 漠然とした課題)

《漠然とした課題―与えられる条件が少なすぎる課題の難しい点》
今回のレッスンの課題(Imagine that you have been given a large area of land to use however you wish, how would you choose to use this land?)は普段の課題とタイプが異なることに皆さん気づかれたことと思います。これと似たタイプの課題には以下のようなものがあります。

1. If you could change one important thing about your hometown, what would you change? Use reasons and specific examples to support your answer.
故郷の町に関して重要な事を変えることができるとしたら何を変えるか?
2. If you could invent something new, what product would you develop? Use specific details to explain why this invention is needed. 何か新しいものを発明できるとしたら何を発明するか?
3. Imagine that you are preparing for a trip. You plan to be away from your home for a year. In addition to clothing and personal care items, you can take one additional thing. What would you take and why? Use specific reasons and details to support your choice. 
一年間の旅に出る場合、着替えと身の回り品以外にもう一つ持っていくことができるとすれば何を持っていくか?
4. Holidays honor people or events. If you could create a new holiday, what person or event would it honor and how would you want people to celebrate it? Use specific reasons and details to support your answer. 新しい祭日(人または出来事関連)を作るとしたらどんな祭日を作るか?

これらの課題はagree/disagreeタイプの課題や与えられた選択肢からひとつを選ぶタイプの課題とは違い、書く内容を自由に決めることができる一方、あまりにも漠然としているため、最悪の場合何も書くことを思いつかない、あるいは思いついても話を広げにくい内容を選んでしまう可能性が全くないと言えません。

《正攻法の対処法―問題の本質を考えて答える》
漠然とした課題への対処法は問題の本質を考え、インスピレーションを働かせて答えることです。--- 上記4つの課題に対し実際に自分ならどう解答するか考えて見ましょう。--- 
例えば、上記の4つの課題に対しては以下のような解答内容が考えられます。
1. →外国人嫌いを直す 2. →温暖化を止める機械 3. →家族の写真 4. →開国記念日
ただしこれらの解答内容を300語以上のエッセイに仕上げるためには普段からこれら全ての分野(1. 国際化と日本人 2. 温暖化 3. 自分の価値観 4. グローバル化)についてまとまった内容が書ける力をつけておく必要があります。また、当然そうして試験に臨むことが求められているわけですが、たまたま試験本番で何も思いつかない、あるいは思いついた解答内容に関して書く材料が乏しく書ききることができない場合に備えて次のような対処法があります。

《漠然とした課題で困ったときの対処法》
漠然とした課題に対して何も書く内容が浮かばない、または思いついた内容を膨らませる材料がない場合の対処法として《自分の得意分野や趣味に結び付けて考える》という方法があります。得意分野や趣味に関して一通りのことが語れるように前もってまとめておき、課題の本質を踏まえながら、得意分野・趣味を材料にして内容を膨らませます。

例えば、得意分野が貧困対策、趣味が音楽の場合、上記の4つの課題に対して以下のような解答内容が考えられると思います。( )の中は書く材料の関連分野です。
例: 得意分野-貧困対策、趣味-音楽
1. →世界最貧国の首都と姉妹都市になり、貧困問題への意識を高める(貧困対策)
2. →何語の歌詞でも耳に入ると同時に意味が分かるiPod(音楽)
3. →iPod(音楽)
4. →飢えで亡くなった人たちの記念日(貧困対策)

また、得意分野が環境保護で趣味が野鳥観察の場合、以下のような解答が可能です。
例: 得意分野―環境保護、趣味―野鳥観察
1. →環境保護の徹底(環境保護)
2. →観察対象の鳥になって共に行動し、そのデータを送信してくれる機械(野鳥観察)
3. →野鳥図鑑(野鳥観察)
4. →「沈黙の春」(環境保護関連本の古典)の作者の記念日(環境保護)

《準備方法―得意分野・趣味について100語前後でまとめておく》
得意分野: 日頃問題意識を持っていること、大学で専攻希望の学問分野の課題、AO入試の自己推薦文に書く自分の課題のうちひとつについて、【現状・問題点・対策】または【歴史・特色・将来の展望】を100語前後にまとめておく。
趣味: 【趣味の対象の特徴・魅力、問題点、期待すること、自分の価値観・人生観との関連付け】を100語前後にまとめておく。
どちらも概略からポイントとなる詳細まで一通りのことをカバーしておく事が大切です。

《こじ付けのためではなく自己表現の一環として準備する》
漠然とした課題には以上のような準備があれば最悪の事態は避けられると考えられます。もちろんどんなトピックでも無理やり用意した文章に結び付けようとするのは間違った対処法です。これはあくまで最悪の事態への対処法です。しかし、誰でも得意分野と趣味は少なくともひとつあり、それらについては一通りのことが言え、ものの考え方や話題にすることがそれらに傾くのは日頃経験する現象なので、漠然とした課題への解答が得意分野・趣味に関するものになるのは自然なことであり、この対処法は全くの邪道というわけではなさそうです。本番のTOEFL受験までに得意分野・趣味について英文でまとめておきましょう。