2011年10月30日日曜日

Class Supplement (上智国際教養 1)

ノートの取り方 注意事項
☆ノートの目的 ①内容の整理 ②記憶の補足
☆実際の授業のつもりでノートを取る ポイントとキーワードをつかむ
☆内容理解→メモの順(ポイントのキーワードと具体例はメモに残す)
☆構成・流れが分かるように書く  段落の主題(キーワード)→ 具体例
☆原因・影響に注意
☆キーワード・定義はそのまま写す(長い定義はキーフレーズのみ写す)
☆細かすぎる情報はメモしない(Lee Whorfの経歴等)
☆英語中心
☆時間配分に気をつける(最初だけ詳しいノート→X)
☆ListeningではReading関連の部分と反復されるポイントにアンテナを張る


Reading  各段落の要旨(ノート例 注 実際は英語)
言語とは何か?
1. ヒトの言語―象徴的、学習によって身につく 〈例〉dog≠現実の「犬」
2. 言語の象徴性の力  〈例〉差別用語
3. 無限の柔軟性 ● 意味の変化〈例〉nice ● 流行語の変化〈例〉スラング、専門用語
4. 言語には文法(set of rules)がある
方言―ある言語の変形  地域の方言、社会集団の方言 〈例〉米黒人英語
5. 手話も言語の一種―文法(standardized rules)があるから
6.   pidgin(混成語/通商用語)―母国語が異なる者の意思疎通の為の言語
  ● ヨーロッパ言語+現地語、● ヨーロッパ言語以外のpidgin
7.   Creole―pidginが正式の言語になったもの
8.   2言語公用語(Creole+宗主国言語) 相手・状況によって使い分け
方言の使い分け〈例〉アフリカ系アメリカ人、アナウンサー
9. 方言と社会階級 〈例〉ロンドン

言語と思考過程
1. 言語の思考過程への影響―20世紀前半過度に重視
Sapir-Whorf「言語は思考を規定する」
2.    〈例〉色彩区分 文化により分け方が違う
3.     英語とナイジェリア言語の比較→文化が見る色を決める
〈検証〉人の色識別は文化に関係なく共通
経済技術向上→色語彙増  環境の変化→文化・言語の変化
メモ: 赤道に近づくほど青と緑の区別無し
    (Lindsey―紫外線による目のレンズの黄化が原因)
4. 語彙はその文化の関心事を反映〈例〉カナダ北西部インディアンの「雪」13種
カリフォルニアの「雪」2種、サーフィン用語数十種
5. 性別による用語数の違い 〈例〉知っている色の名前 女性多 服装―色の違い重要
6. 言語と世界観の関係   〈例〉耳の聞こえない殺人犯―妄想が手話
      〈例〉アボリジニの方角と世界認識(位置は全て方位で説明)

民族科学
研究対象の文化の「現実のカテゴリー分け」を学ぶことでその文化の世界観をつかむ
 etic: 外部から見た(研究者の文化の「現実のカテゴリー分け」で分析した)文化
 emic: 内部から見た(その文化の「現実のカテゴリー分け」で分析した)文化
     その文化の世界観を知るのに有効
Lecture Transcript 各段落の要旨(ノート例 注 実際は英語)
1. 言語とコミュニケーション
2. 言語を使って思考―ものの見方を言語が規定 Sapir-Whorf理論 
3. Whorf―engineer, 言語に関心, 産業火災の専門家
4.  Blazing Icicles 産業火災予防の言語学的解釈
●「空」のガス缶爆発
5.     ―“empty”の2義性(元の内容物がない、何も入っていない)による誤解
● inflammable「引火性」―in(否定の接頭辞)による誤解
6.   ● spun limestone―stone「石」による誤解
7. Sapir-Whorf理論―言語が認識を規定―strong versionとweak version
  strong version―[言語→思考]  George Orwell「1984」
8.                国語が思想統制の道具
weak version―[言語⇆思考]
9.  Whorfの論証―(1)語彙 
Eskimo「雪」を表す語 多(Whorf 100語、Boas 4語)→雪の見方 異 
10.       雪の状態別に名前
11.       ≪反証≫実際は語形変化 15語前後(英語もほぼ同数)
必要性大→語数多 
12. 英語にない語● ブラジルsaudade  
13.       ● ドイツ語Schadenfreude(「いい気味」の意味)
他の言語にない語―文化の違いを示唆
14.  Whorfの論証―(2)文法
         ● Hopi族の言語 時制無し(Whorf)―時間観念の違い
15.          ≪反証≫時制に相当する validity marker(事実・推量・仮定)の存在
16.   ● Yucatec Mayaの言語 numeric classifier―
17.           物の形状を表す語―物の見方異なる
18.  Sapir-Whorf理論批判
    Pinker (1)根拠に誤り (2)言語がなくても思考は存在する 
(3)言語の曖昧さ(思考と1対1の対応をしない→伝わる内容にズレ)
19. 性別と言語(言語と思考の相互作用)
女性語 rapport 調和  〈例〉back-channel(あいづち)
20.              〈例〉語尾上げ
21. 男性語 report 直接的 〈例〉依頼表現(男性-直接的、女性-間接的)
22.              〈例〉hedge(ぼかし表現)
                 →男女の意思疎通で誤解 
                      個人差(同じ性別、出身地、地位で差)-
上司と部下の意思疎通でも誤解
23.                  飛行機墜落事故―原因: 翼の氷結
24.                  副操縦士の警告が間接表現-不十分な意思表明
25.                  直接表現を使用-事故回避の可能性
26. メタファー(隠喩)―思考・行動を決定
    ● [時は金なり] → [時間=物]という思想
27.             時間を物として扱う行動
    ● [議論=戦い]
28.  言語と前提の設定 (立てる前提によって使う言葉が決まっている)
    ●「奥さんを殴るのは止めましたか?」(答えようがない質問 前提: あなたは奥さんを殴る人)
29. ● 教授が生徒レベルに前提をたてて授業をしたら…
     実際より上の前提→専門用語だらけの授業
     実際より下の前提→細かすぎる説明
● 社交・政治と前提 〈例〉仲間内だけの冗談-仲間意識
30. まとめ Sapir-Whorf理論
strong versionよりweak versionが妥当
                言語と思考の相互作用
語彙(カテゴリー分け)と文法(時間観念)
Writing Questions
答え方 1.問いを確認 2.reading/listeningの関連事項のメモをチェック 3.問いに沿って解答 注 Reading/Listeningの関連事項をできるだけ使う=読解・聴解・要約の実力を最大限に見せるため。

1. 男女の話し方の違いについて述べてください。男女の話し方の違いは意思疎通の重大な障壁となりますか?
考え方 「男女の話し方の違い」から、リスニングの ”rapport/report, indirect/direct” (テキストp. 14 l.214-248) を使って「意思疎通の障壁」となり得ることを証明する。「重大」かどうかについてはリスニングで教授が「個人差」(p.15 l. 247-253)について触れている点から重大な障壁とはなりえないと判断できる。
例 女性: 語尾上げ(聞いて欲しい)⇔ 男性: あいづち無し(聞いている)
女性: 間接的表現(丁寧)⇔ 男性: 文字通り解釈して怒られる(女性=不合理)
→コミュニケーションを難しくすることはあり得る。
個人差(同じ性別、出身地、地位)
→重大な障壁とはならない

2. 言語によるカテゴリー分けはものの見方をどのような形で形成する(規定する)可能性がありますか?
考え方 「言語によるカテゴリー分け」と「ものの見方」はSapir-Whorf理論なのでこの部分を使う。「どのような形で形成する」かは理論の修正部分(必要性による細かい分類)を使う。
例 Sapir-Whorf理論(言語は思考を規定する)(p.5 l.90-96)によれば言語はその言語を話す人のものの見方をある程度決めてしまうと考えられる。例----(1) 色の区分(p.5 l.97-117)、雪を表す語(p.6 l.128-141, p.11 l.90-124)→話す言語によって話し手は色や雪を細かく意識したりしなかったりする 。/一方で、他の研究結果から言えるように、人の知覚は同じだが、必要性により細かいカテゴリー分けをしたりしなかったりするし、個人差もある(p.15 l.248-253)。e.g. エスキモーやスキーをする人は必要性から雪関連の語彙が豊富。(p.11 l.116 3-p.12 l.124) 、北米では女性の方が知っている色数が多い(p.6. l.142-146)、ブラジルのsaudadeやドイツのSchadenfreudeのように微妙な心理を表す語の存在(p.12 l.126-145) /従って、言語によるカテゴリー分けは、その文化で重要なものを細かく分類して見るようにさせる。

3. 日常の発話はどの程度まで台本がありどの程度まで即興ですか?
考え方 「日常の発話」は具体的にどのようなものかを思い浮かべ、「台本がある」=常套句と「即興」=オリジナルな発言の比率を考える。
例 講義で教授は、言語が思考を規定する可能性がある一方で思考と言語は相互に影響し合っている(p.14 l.208-210)と述べているので台本による発話が多い一方で即興もあることを示していると思う。/日常の発話は人間関係と活動をスムーズにするための言語なのでほとんどが常套句だ。また、オリジナルだと思っている発言もそれを表現する言葉を選ぶ段階で既存概念を使用しているのだから厳密な意味ではほとんどの発話は台本に従っている可能性が高い。講義の例では言語が性別や地位により決まっている場合(p.14 l.214-p.16295)やメタファーによる既成概念(p.16 l.297-318)がある。パイロットと副操縦士の会話(p.15 l.255-295)、 “Time is money.” “argument=war “(p.16 l.297-318)などから発話で使用する言葉はその都度考えて選択するよりもすでに決まっている範囲内のものを使っていることを示している。/一方で、立てた前提に言語の選択範囲が規定される場合(p.16 l.319-343)もあるし、 感情や印象など既存の言葉で表現しきれないものを表現しようとするとき(p.9 l.6-10)は即興になる。「奥さんをなぐるのをやめましたか?」といきなり尋ねて相手が返答に困るようにする場合や、詩的表現などまれに即興的な発話が起こることもある。

復習の仕方 辞書はポケット版ではなく普通の厚さのものを使用(適切な訳語を見つけるため)
1. テキストとプリントを使って内容理解
2. もう一度テストと同じ形でノートを取り解答(タイマーをセットして行う)
3. あるだけの時間を使って解答を修正してから解答を見る
4. もう一度解答を書き直す

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