2011年1月30日日曜日

Class Supplement (TOEIC(R)受験の手引き)


初めに

2時間で200問を解くTOEICは、母国語に訳さず英語のまま瞬時に正解を出す能力のレベルが測定されます。700点突破のためには基本学習に加えて出題頻度の高い問題で少し難しめのものを早く正確に解けるようにすることが必要です。



総合的な対策

(1)ビジネスの現場での会話や文章を扱った問題に慣れる

(2)出題頻度の高い問題を速く正確に解けるようにする


(1)     ビジネスの現場での会話や文章を扱った問題に慣れる:

社会人の経験がない学生さんは遭遇したことのない状況が多く出題されます。ただし常識で想像できる範囲内なので時間をかけ辞書を使えば解ける問題ばかりです。そのような問題に数多くあたり、様々な状況設定に慣れておけば早く解けるようになります


(2) 出題頻度の高い問題を速く正確に解けるようにする:

TOEICは数多く解いたほうが勝ちといったタイプのテストであり、難題ばかり練習するよりもよく出る問題を反射的に解けるところまで持っていくことが大切です。これは一見簡単そうで実はある程度の時間と労力を要します。TOEICの問題は英検やTOEFLの問題と比べ語彙や構文が易しいため、少し勉強すればスコアを伸ばせそうな錯覚に陥りやすいのですがそうは行かないのです。落とし穴はその問題数の多さにあります。ご存知のようにリスニングは100問を45分で、リーディングは100問を75分で解かねばなりません。リーディングに関して言えば、文法・語法問題(Part 5 & 6)を12030秒で、読解問題(Part 7)を1問3060秒で解いてぎりぎりに終わると言う計算です。ただし普通に勉強すれば2~3ヶ月で時間内に終わるようになります。



予習・復習

予習:

テキストの予習箇所と補助プリントを解いておいてください。

テキストは復習時にすぐ答えが目に入らないよう、コピーしたものに答えを書くか赤下敷き用のペン等を使ってください。補助プリントは下の解答欄に答えを書き込んでください。

答えが出せても自信がない問題は復習が必要なので番号をチェックしてください。


復習:

間違えた問題と自信がなかった問題を復習します。

答えだけでなく理由も言えるようにします。

授業のあった日の内に必ず1回復習してください。忘れにくくなります。

Reading Iと穴埋め問題プリントは毎日時間を決めて繰り返し復習してください。寝る前や登校時など習慣にし易い時間帯を選びましょう。早く正確に解けるようにするには地道な復習が不可欠です。

読解問題プリントで難しかったものはまず添付の解答解説の和訳を見て日本語の読解問題として解き、その後英文で解きなおしてください。


発展学習: 時間に余裕のある人はこの講座の復習に加え、市販の模擬問題集を解く+復習を繰り返すと効果的です。模試形式になっているものを使いましょう。解くときは本番と同じようにリスニングが終わったら引き続き(休憩なしで)リーディングに行き、一気に終わらせるようにしましょう。リーディングはタイマーを75分に設定して行います。時間配分を確認したり解く問題形式の順を試したりしてみましょう。13ヵ月後受験の場合毎週末に1セットを解きその後1週間で復習、13週間後受験の場合は1日おきか毎日1セット解き復習を平行して行います。



重点学習すべき問題形式

人によって様々ですが、600点以上を目指す場合及び文法に苦手意識がある場合は、Part 5(リーディング最初の穴埋め問題、テキストで言うとReading I)に力を入れることをお勧めします。Part 5ができないと他の問題形式の点数を上げるとは難しく、逆にPart 5ができるようになると他もできるようになります。問題文を早く読めるようになるのでリスニングもスコアアップします。また、Part 5が勉強の成果が最も早く出る問題形式でもあります。本番までにPart 515分前後(遅くとも20分)で解けるところまで仕上げましょう。



問題形式別アドバイス

Part 1 (写真描写問題)  紛らわしい発音(coffeecopy)と時制に特に注意しましょう。


Part 2 (応答問題)  TOEICリスニングスコアアップの鍵はPart 2の完全攻略です。なぜならPart 2の問題点はPart 3 の問題点になるからです。Part 3の会話文はPart 2の対話文が組み合わさったものなのでPart 2 関連の対話文の取り残しはそのままPart 3の会話文の聞き落としにつながります。逆にこの二つの問題形式を押さえればリスニングを押さえることになります。(問題数で見てもPart 230問、Part 330問で合計60)模擬練習で間違えた問題のスクリプトと訳を確認し、声に出して言って自分の言葉にしておきましょう。


Part 3 (会話問題)  Part 2の徹底攻略によりリスニングの実力が底上げされるとPart 3は自然にスコアが上がります。ただし問題形式への慣れは必要なので模擬練習で会話内容・質問文の傾向をチェックしておきましょう。(問題文を速く読めるようにすることも目的です。)内容は、ある書類の所在に関する会話や採用面接での質疑応答、予定の確認などパターンは決まっており、問題文も、「男性は誰と話しているのか?」、「二人はどこにいるのか?」、「この後この女性は何をするのか?」といった定番問題が数多くあります。また、3問中2問以上間違えた問題及び内容が把握できなかった問題は、会話文をシャドーイングすることをお勧めします。(British/American accent対策にもなります。)シャドーイングがつらい場合、まずスクリプトを見ながら読む練習をしましょう。音声と同じ速さとリズムで読むようにするとリスニング力向上に役立ちます。


Part 4 (説明文問題)  リーディング力のある人でリスニングがあまり得意でない人はPart 2Part 3よりもPart 4を得意とします。このことから分かるように、Part 4TOEICの中で最も総合的な力を問われる問題形式です。対策としては、まずPart 3と同様に模擬練習で問題文とナレーション内容のパターンを確認し、更にナレーションをリーディングの文章として読んで内容の要点を確認し最後にシャドーイングをして仕上げます


Part 5 (語彙・文法穴埋め問題)  英検の最初の穴埋め問題同様、毎回同じような問題が出題されます。繰り返し練習して急いで解いても疲れてきてもミスしないところまでもっていくことが大切です。速く解くコツは空欄が2行目以降にある場合、まず空欄の前後と選択肢を見て解いてみることです。前半を読まなくても解ける問題は沢山あります。また、語形変化問題は40問中1318問出るので得意分野にしておきましょう。語形変化問題とは選択肢が同じ語の動詞、名詞、副詞、形容詞などになっているもので、空欄前後の単語との組み合わせで正解が判断できるものが多いので比較的短期間で習得できます。文法が苦手な場合、答えの理由を考えなくてはならないので最初は速く解けなくて構いません。一回目は時間をかけ、復習によって速く解けるようにしてゆきます。総合的な対策の最後にも書きましたが本番までにPart 515分前後(遅くとも20分)で解けるところまで仕上げましょう。


Part 6 (長文穴埋め問題)  Part 5Part 7が合わさった問題です。Part 5の文法・語法力とPart 7の速読力が必要ですが、どちらかというとPart 5 の文法・語彙力で解ける問題がほとんどで、内容も考えないと解けない問題は12問中12です。まず空欄の前後をみて解いてゆき、内容関連問題のみ前後の文または文章全体を拾い読みして答えます。800点以上を目標とする場合はタイトルや最初の部分にさっと目を通して内容を同時に追いながら解きましょう。


Part 7 (読解問題) TOEICの読解問題は速読力・読み飛ばす力をみる問題です。全文を読んでから問題に行く必要はありません。ぱっと見て何の文章か分かる場合はすぐに問題を見て必要な情報のみ探します。「次のどれが当てはまらないか」と言った問題は選択肢を先にみて問題の中に該当部分があるかどうか確認し消去法で解きます。ぱっと見て内容の見当がつかない問題は逆に腰をすえて最初の部分を読み要旨をつかむ方が結果的には早く解けます。「ああ、こういうことか」と思う瞬間が来たら問題に行きます。これで1問目は解けてしまう場合がほとんどです。その後は問題と選択肢を先にみて解いてゆきます。問題・選択肢を先に見ると言うのは邪道のように思われるかも知れませんが、TOEICは英語による実務能力のテストなのでこれは正当な解き方です。日本語に置き換えてみると普段、回覧板や学校の通知、宣伝メールなどを隅々まで読むことなどありません。要旨と必要な情報の検索が速く正確にできることが肝心です。その練習であることを意識して問題を解きましょう。また、英検やTOEFLにはないTOEIC独特の問題としてビジネス文書(特に社内文書)の問題があります。letter e-mail, memorandum (memo), noteなどはほとんどがビジネス文書で、内容は担当者の変更やセキュリティーソフトのインストールに関する注意事項といった事務連絡や休暇の取り方といった就労規定等で学生さんにはなじみのない内容が多いので重点的にチェックしましょう。毎回必ず2~3題出題されます。内容が全く分からなかった問題は、復習時にまず解答・解説の和訳を使って日本語の読解問題として解き、広告やビジネス英文の構成を把握するとどこに答えのヒントがあるか見当を付けやすくなります。




本番直前と本番の注意事項


本番直前: (1)体調を整え、(2)頭を英語にして行く

(1)  体調を整える: 勘、反射神経、集中力を大切にする。できるだけ多くの問題を速く正確に解くには体調が大いに影響するので、前日は夜更かしせず当日の朝も余裕を持って会場に行く。(試験前に無駄なエネルギーを使わないこと)

(2)  頭を英語にしていく: 本番では日本語に置き換える時間はない

やってはいけないこと 単語の日本語訳の復習・暗記(頭が日本語になる)

やったほうがよいこと (1)前日: 前に間違えた問題の復習(間違いやすいところの確認)解いたことのない読解問題を2~3題解く(頭の英語化)

当日: 朝起きてすぐ~直前まで英語を聴く(興味を持てるものかTOEIC教材)ただし、電車内等騒音のある所では耳を傷めるので控える。


(3)  その他

体温調節のできる服装をする(会場の冷暖房が効き過ぎていることがある)

鉛筆はHBかBで太目のもの、消しゴムはちゃんと消えるもの

予想外のことがあっても気にしない TOEICはいろいろな人が受けるテストで会場も様々なので予想外のことが起こって当たり前と思ったほうがよい。例えば試験中ずっと音を立てる人がいる、後ろの人が自分の椅子をけるなど集中を妨げるようなことがよく起こる。こういった場合、対処できることは対処し(当人に注意する、試験監督に申し出て席を替えてもらう等)対処できない場合は諦めてテストに集中する。(集中すれば気にならない)



本番: 解ける問題を確実に解き全体での正解数を上げることを意識する(考えても分からない問題は深追いせず適当に塗りつぶす)


Listening

Part 1  紛らわしい発音(coffeecopy)と時制に注意する。

Part 2 最初の1語を聞き逃さないようにする。(WhereWhenの違いなど)そのためにも前の問題が分からなかった場合深追いせず、次の問題が始まるまでに答えて気持ちを切り替え次は確実に解けるようにする。

Part 3 & 4  問題を先に読むペースを崩さないPart 3 の問題形式説明のナレーション中に最初の3問の問題文と選択肢を読み、何を聞き取ればよいのか(できればどのような内容になりそうか)を確認しておく、音声が流れる間に問題に答えて行き、音声が終わったら、次の問題の問題・選択肢をチェックする。たとえば、「41番に答えなさい」という指示があるところで44番の問題・選択肢を読み、「42番に答えなさい」という指示のところで45番の問題・選択肢を読むというふうにして次の問題(4446)の音声が流れるまでに全ての問題文・選択肢をチェックしておく。

注意! Part 3 & 4 の問題には最後にどんでん返しのあるものもあるのでその可能性がある場合はたとえ問題全てに答えたと思っても用心して最後まで聴く。


Reading

得意な問題形式から先に解く。例えばPart6が苦手で文法はある程度仕上がっている場合、Part 5 Part 7 Part 6の順にする。

Part 5 15~20分で解くまず空欄の前後をみて解けないかやってみる(特に語形変化問題と空欄が二行目以降の場合)。それでだめなら文全体や前後の文を読んで考える。

Part 6 3~5分で解く苦手意識がある場合本番では後回し。解き方はPart 5と同じ。内容関連問題のみ前後の文章か文章全体を読んで解答。

Part 7  ぱっと見て内容の見当がつく問題はすぐにquestionを見て必要な情報のみ探す内容の見当がつかない問題は最初の部分を読み要旨をつかむああ、こういうことか」と思う瞬間が来たら問題に行く問題を読んでもどこを見たらよいか分からないときは選択肢を先に見て該当箇所を探すタイトルも大きなヒントなので見逃さない。(飾り文字になっていてもイラストと間違わないこと)


これらの本番の注意点は普段の練習によってより効果が出ますので、授業の予習・復習時に常に実践しておいてください。



最後に

TOEIC受験で習得する英語は実生活で使用頻度が高く、他の英語の試験で必要な英語力の基盤にもなります。全力で挑戦して損をすることは何もないので頑張りましょう!

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