2016年7月12日火曜日

早稲田国際教養AO入試 “Unbeatable” Locks and the Era of “Perfect Security”

解答のポイント
主題 絶対に破れない鍵はない。治安維持には社会秩序が必要だ。現在、鍵は社会秩序を象徴している。
本文該当箇所  1)タイトル“Unbeatable” Locks and the Era of “Perfect Security”「破れない鍵」と「完全な安全」の時代2)第1段落 But in the entire history of the world, there was only one brief moment, lasting about 70 years, when you could put something under lock and key―a chest, a safe, your home―and have complete, unwavering certainty that no intruder could get to it. しかし何かタンス(収納箱)や金庫や家に錠前と鍵を使用したら侵入者はだれもそれに手をかけられないというゆるぎない完全な確信を持つことができたのは、世界史上、わずか一瞬、葯70年しかなかった。  3)最終段落  The pin-and-tumbler lock is fairly easy to pick for someone who knows what he’s doing, but using a crowbar or going through a window would probably also suffice to enter your house. It’s not just locks that keep us safe―it’s the existing social order. Today locks have become a social construct as much as they are a mechanical construct. ピンタンブラー錠は方法を知る者ならかなり容易に解錠できる。しかし、家屋に浸入するにはバールを使うか窓を通れば事足りる。安全を維持するのは鍵だけではなく既存の社会秩序なのだ。現在、鍵は機械的構成概念であると同時に社会的構成概念になっている。

問1 正しい記述を3つ選び解答用紙に印をつけてください 。
本文参照

問2  この話に出てくるA.C. Hobbsの役割を要約してください。解答用紙に与えられた箇所に自分の言葉で英語で説明してください。

考え方  A.C. Hobbs70年間破れなかった鍵を解錠した人物なので、主題である「鍵の意味」と結び付けて考える。
本文に出てくる70年の間は鍵は鍵をかけたものの完全な安全を機械的に保障する装置だったが、A.C. Hobbsがこの鍵を解錠してしまって以降破られない鍵は存在せず、現在鍵は簡単に解錠可能であることを承知の上で広く使用されているため社会秩序の保証も意味する存在となっているとある。従って、A.C. Hobbsは「機械装置による完全な安全神話」を破壊し、安全を得るためには鍵に頼るのではなく社会秩序を実現しなくてはならないことを示す役割を果たしたと考えられる。


問3  この文章の作者は「既存の社会秩序」は鍵同様に私たちを安全に保ってくれると示唆しています。この見解に賛成ですか?解答用紙に与えられた箇所に自分の言葉で英語で答えてください。

考え方  基本的には反対する理由はあまりなさそうだ。根拠として、現代社会における治安が良い国と悪い国における社会秩序の有無や歴史上の例を挙げることができるだろう。また、銃の携帯が許可されている点では同じであるアメリカとカナダが銃の殺傷事件の発生率で大きく異なるのも社会の安定の度合いの差が安全性の差につながる例と言えるかもしれない。しかし、もう少し掘り下げると、安全が保障されるかどうかは「社会秩序」の質にもよると考えられるかもしれない。例えば体制に不満のある人々を力で押さえつけて成立している社会秩序は崩壊の要素を内部に含んでいる。グローバル化とともに多国籍企業と超富裕層を中心とした支配体制が世界的に確立しつつある中で、個人的な暴力から組織的テロまで様々な安全への脅威が存在感を示してきていることが例にできる。更に、軍事力は使用していなくても金権政治とメディア操作による国民の意識の支配は、差別や不寛容、中毒や精神疾患等の問題を生じさせ、間接的に治安を損ねている可能性があると考えられると指摘しても良いかもしれない。


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